パチスロ開発におけるプロジェクトリーダー
「自分の会社での役割はプロジェクトリーダーです」という能冨氏。名刺上の肩書はディレクターとなっているが、「開発する機種の概ねの方向性、つまりこういう商品を作りましょうというのを決める役職です」と続ける。他社においてはプロデューサーと呼ばれる立ち位置に近いものであり、実際オリンピアでも、少し前まではプロデューサー職とディレクター職ははっきりと分かれていた時代があったが、現在ではプロジェクトリーダーが、いわゆるプロデューサー職も兼ねている場合があるという。
「機械を作ることが専門のディレクターもいますが、私の場合は、各年度にあわせた戦略を提示し、その中から自分が手掛ける台を、例えば、ゲーム性を重視するとか、遊びやすさを重視するといった感じに割り振っていくことが仕事になります」
そのため、機種によっては戦略を立てるだけで、実際のディレクションは人に任せる場合もあるが、現時点では4機種の開発を担当しているという。
<中略>
パチンコ・パチスロ好きが高じて開発者となった能冨氏だが、ホールには現在も通い続けている。「若い頃と比べると全然行かなくなりましたね。週7が週4くらいになってます(笑)」とおどけつつ、ホールでは自分が作った台だけではなく、他メーカーの台も「楽しむために打つ」ことが第一の目的だが、その一方で、研究のために打つことも少なくないという。
「それぞれの演出にどういう意味があるか、どういう意図で作られているのかまで、しっかりと見ます。それこそ、画面が切り替わるときの見せ方とか矢印の数まで。もちろん、そんなことまで気にしていたら、打っていてもまったく面白くはないのですが、そこは研究のためと割り切って、普段とは異なる視点で打つようにしています」
今後の目標として、「10年後、20年後でも、あの台は面白かった、好きだったと言われるような台を作りたい」と闘志を燃やす能冨氏がプロジェクトリーダーとして達成感を味わえるのは、「自分の思い描いた台が実現して、それを面白いと言ってもらったとき」であり、企画者として重要なのは、「技術でも才能でもなく、もちろん学歴なんかどうでもよくて、作りたいという情熱や強い気持ち」であると考える。
そして、「とにかくパチスロ好きであることが大前提。そのうえで情熱がある人たちと、仕事を一緒にやりたいと思っています」と、業界を目指す人へ熱いメッセージを贈った。
開発者の方ってけっこう打ちに行ってるもんなんですね。
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